私は、IANLPトレーナーの安達美由紀さんから、NLPという心理学を学んだことがあります。NLPとは、Neuro Linguistic Programming(神経言語プログラミング)の頭文字を取った名称で、別名「脳の取り扱い説明書」とも呼ばれる、最先端の心理学です。
この心理学で脳と心のしくみをガッツリ学んだおかげで、その知識やツールをコンサル業や講師業に活かすことができています。実は、この心理学を知って学ぶに至るまでの1年くらいは「そんなものは必要ない!」と思っていたのですが、学んでからは「もっと早く学んでおけば良かったぁ~!」と思ったくらいです。(笑)
できないのは、自分が悪いから?
この心理学を学ぶ以前の私は、「できないということは、自分の意思が弱いからだ!」「意思が弱い人間は、ダメな人間なんだ!」と思ってました。
例えば、私がセミナーや講座でお伝えしていることは、私が実践してみてできたことです。できたということは、参加者の皆さんもできて当然。「私ができるのだから、あなたもできるでしょう?」と思っていました。
しかし、セミナー直後には「わかりました!やってみます!」と言う方に限ってできないことがわかり、「なぜできないの???」と疑問ばかりが浮かび、「できないということは、あなたの意思が弱いからでしょ!真剣に取り組んでないからじゃないの?」とさえ思うようになりました。
どうやったらできるようになってもらえるのかを試行錯誤し、セミナーの内容や構成を練り直してみたりしましたが、NLPを学んだことにより答えが見つかりました。私のセミナーの内容や構成が悪かったからではなかったのです。
“できない” ということは “やらないことを選択している”
これだけだったのです。(笑)
やりたいと思ったことは、そのことすらも考えずにやっているはずなのです。やりたいことができない時点で、やらないことを選択しているに過ぎないのです。
実は、私自身も「できないということは、私の意思が弱いからだ!」「意思が弱い私は、ダメな人間なんだ!」と思い、落ち込んでばかりいる時期もありました。しかし、意思とは全く関係がなかったんですよね。
“できない” ということは “やらないことを選択している” んだということに気づいてからは、私はダメな人間じゃないんだ!と思えるようになり、気持ちがとても楽になり落ち込むこともなくなりました。
できないことはダメなことだと、決めつけていませんか?
とあるセミナーに参加した時、講師の方がある参加者の方(以下、Aさん)に「できないことはダメなこと」「私でもできるんだから、あなたにもできるに決まっている」と言いながら、Aさんをかなり追い詰める質問(私は攻撃と捉えました)をされていました。NLPを学ぶ以前の私と同じ思考ですね。(苦笑)
Aさんは、追い詰められるような言葉を浴びせられるたびに顔がみるみる強張って行き、口数もドンドン少なくなっていきました。講師の方は、Aさんの変化に全く気付いていません。私と一緒に参加した友人ですら、帰り道で「あの人大丈夫だったかな?」と言っていたくらいです。
一部始終を見ていた私は『これはちょっとまずいなぁ。。。』と思い、セミナーが終わった後に、Aさんと少しお話をさせていただきました。私がフォローすることでもないのですが、あまりにも。。。だったので。
Aさんは「私には何もないし何もできてないし、ダメですよね。」とおっしゃっていましたが、あんな追い詰められ方をされれば誰だってそうなりますよねといった言動です。
私が「自分の良さというのは、なかなか自分では気づけないものです。○○さんは、ご自身でまだ気づいていないだけだと思いますよ。ダメだと思う事に良いも悪いもないのですが、もしそう思う事で落ち込んでしまうのなら、“できない” ということは “やらないことを選択している” と思ってみてください。できないのではなく、やらないことを選んでるんですよ。やりたくなったらやればいいですしね!」とお伝えすると、強張っていた顔がゆるみ笑顔に変わりました。
Aさんからは「スッキリしました!ありがとうございます!」と言っていただき、その後は終始笑顔になられ、他愛もない話で一緒に盛り上がりました。Aさんを追い詰めた講師の方から、フォロー代金をいただきたいくらいです。
できないことは、ダメなことではないのです。やらないことを選択しているだけなのです。選択したことに意味があるのですから、そこに目を向けるとやりたくなるかも知れないし、やっぱりやらないかも知れません。でも、どちらでもいいのです。
できない=ダメと思ってしまっている方、ぜひ “できない” ということは “やらないことを選択している” という風に思ってみてください。ビックリするくらい、楽になりますよ!