以前、奈良で職業訓練の講師をしていた時の話です。
そこでご一緒していたM先生は、私に就職支援のやり方などを教えてくださった先生。その先生のおかげで、今の私の就職支援の形ができたといっても過言ではないくらい。
M先生は、いつでもどんな時でも常に笑顔でいらっしゃるので、こちらも自然と笑顔になってしまうそんな先生です。
ある日、一人の訓練生が退校したいと申し出ました。
クラスのみんなとも仲良くされていたし、勉強も一所懸命にがんばっておられた方だったので、退校したい理由を聴いて驚きました。
確かに、その先生は常に笑顔で誰に対しても平等に接しておられるけれど、それをまさかの “眩しすぎてしんどい” 発言。その当時は「そんな理由で???」と思いました。
その訓練生は自分とM先生を比べてしまい、自分はキラキラと輝けていないと意味づけ、そのことを眩しすぎると表現したのかもしれません。
自分と他人を比べてしまうことは、わからなくもありません。でも、それに何の意味があるのでしょう。一から十まで全く同じ環境で全く同じ人生を歩んできたのならわかりますが、同じような環境で同じような人生を歩んできたのなら比べられるはずがありません。“同じ” と “同じような” では、すでに全く違うのですから。
あなたは、唯一無二の大切な存在。
どうしても比べたいのなら、過去のあなたと比べてください。あの時と比べて、今はどうなのか。できるようなったことや、いろんな知識が増えたことなど。そこからの気づきの方が、あなたに役立つことばかりです。他人との比較は、何の役にも立ちません。
そうは言っていますが、過去の私も人と比べる天才でした。「すごいなぁ~」「いいなぁ~」「私にはないなぁ~」などなど。数えたらキリがないほど、他人と比べては落ち込む毎日を過ごしていました。今となっては、目に見えている部分だけを捉え、本質の部分が見ていなかったなと。自分自身のことを、全く認めていなかったのです。
あなた以外の人が存在しているだけで、すでに違う価値観や考えの人がいるのですから、全てが違って当たり前なのです。違って当たり前なので、比べることに何の意味もない事に気づいてください。
あなたは、あなたでしかないのです。あなたは他人になれないし、他人もあなたにはなれません。だから、あなたは唯一無二の存在なのですよ。