先日、高校時代の友人と話す機会があり、久しぶりに懐かしい話をしたり近況報告をしてりしていた時に、その友人が大学の時に学んだ先生の話になりました。
友人の先生(ピアノの先生)は、すでに80歳を超えていらっしゃるそうですが、最後の門下生でもある友人たちとは今でもお食事会を開き、友人たちとの時間を楽しんでいらっしゃるそうです。友人たちが最後の門下生だということは、現役で教えていらした頃から約20年は経っています。もう生徒を指導していないのかをお聞きすると、やはり今では生徒を指導する事は無くなったそうなのですが、今でも毎日1時間はピアノの練習を欠かさないんだとか。
「楽譜を広げては、まだ弾いたことのない曲を練習するのよ。」とおっしゃっているそうです。その先生が、どこかで演奏される機会はないかも知れません。それでも、毎日1時間練習されるのです。
80歳を越えた方が「毎日1時間練習する」と聞いて、あなたはどう思いましたか?
80歳を超えてもまだ弾いたことのない曲があることにも驚いたのですが、「毎日1時間は練習する」と言う言葉に感動し、続けておられることに本当にすごいなぁ~と感じました。
なぜ、続けることができるのか。
ある友人と “続けること” についてメッセージのやりとりをしていた際に、「楽しくて好きなことだから、続けていられるのではないかと思う」と私が言ったことに対して、「好きなことを続けている人は、それは続けるよね。」と返ってきました。
確かに。ごもっともな意見です。(笑)
では、80歳を超えても毎日1時間の練習を続けている先生は、好きだから続けているのでしょうか。
ピアノに限らず歌やギターなどを習ったことのある方なら理解できると思いますが、音楽ほど成果がなかなか現れないものはないと思います。特に、音はその一瞬だけに存在するものなので、目で見て比較するものでもないですしね。だからなのか、成果がなかなか現れないからと、辞めていく人が多いものでもあると思います。
しかし、私のように音楽大学へ行くような人たちは、それを続けていた訳です。なぜなのでしょう?
先生に「1日休めば、取り戻すのに3日かかる」と言われていたから?「もっとうまくなりたい!」と思ったから?
もちろん初めのきっかけはどちらもあるでしょうが、要するに “習慣化” されたからではないとかと思うのです。ということは、習慣にしてしまえば続けることができるのではないでしょうか。
三日坊主という言葉には、「物事に飽きやすく、長続きしないこと。」という意味があります。この言葉は、もともとは仏教からきているそうで、“俗世間から離れ仏の道に入ってはみたものの、修行の道は思いのほか厳しく、3日しかもたずに根をあげる坊主” のことを指すそうです。
この言葉には、もう一つの意味もあるそうです。それは、1日目で教学を暗記し、2日目で教学を体得し、3日目で教学を実践する。つまり、3日間で集中して悟りを得るという意味です。3日間くらいなら集中できそうですし、集中したことがそのまま続けられれば、続けていることが習慣になっていくのかも知れません。
どうしたら、続けることができるのか。
私は常日頃から「続けることは大事!」と言い続けているので、「嫌いなこととか面倒なことでも継続できそう」と言われることがあります。私は、面倒なことが好きではないので、できればやりたくありません。でも、面倒だと思っていても、やることはあります。
年末の大掃除は、面倒くさい。だからと言ってしないのではなく、毎日こまめに掃除をします。面倒なことは後回しにするのではなく、先にやってしまうのです。理由は、後回しにするともっと面倒くさいからです。
スタジオジブリの宮崎駿監督は、作品の製作中に「面倒くさい」という言葉を言い続けておられるそうです。( 参照:プロフェッショナル仕事の流儀 )面倒くさいのに、続けている。すごいことですよね。でも、ちょっとわかる気もします。
私は、Webサイトを制作していますが、元々Webデザイナーをやっていたのでデザインを作っていると思われていますが、私がやっているのはコンテンツ制作支援です。要するに、中身の部分の制作を支援しています。Webサイト自体のデザインは、デザイナーさんが作られたものを使用しますが、クライアントさんのコンテンツに合うようにカスタマイズします。この作業、はっきり言って面倒くさいです。(笑)5ピクセル右に移動したらどうなるか、段落ごと入れ替えて見たらどうなるか、画像のサイズや見え方はこれでいいのかなど、実践してみて検証してみて修正する。常に、この作業を繰り返している訳です。本当に面倒くさい作業です。(苦笑)
しかし、面倒くさいですがそれでもやるのです。それはなぜかと言うと、より良い物を作りたい!という想いがあり、それがクライアントさんのためでもあり、自分のためでもあり、そこには “はっきりとした目的” があるからです。
宮崎監督も「面倒くさい」と言いながらも制作を続けておられるのは、より良い作品にしたい!との想いがあるからなのだと思います。宮崎監督曰く、“大事なものは、たいてい面倒くさい” のだそうです。
面倒くさい < 目的へ向かう自分の想い
面倒くさいよりも、目的へ向かう自分の想いが上回れば、たとえ面倒なことであっても、続けることができるのだと思います。
楽しくて好きなことは、勝手に続けています。それは、そのまま続ければいい。というより、続けていくでしょう。しかし、面倒なことを続けるのか続けないのか判断する際は、とりあえず3日間集中してやってみて、想いが強ければ続けることで習慣となり、し続けるでしょう。やりもしないで「続けることはできない」というのではなく、とりあえずやってみてください。
習慣になるまで、やり続ける。だからこそ、やっぱり続けることは大事!だと思うのです。